daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?を観賞してきました。

 

高知イーオンの映画館で、まだ上映中でしたので、慌てて観に行きました。
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岩井俊二監督のツイッターをフォローしているので、かなり早いうちに存じ上げていたのですが、
なんやかんやで今日になりました。

 

公式サイトに、映画情報やら、スペシャトークなども追加になっています。
が、僕はまだ見ていません。
ほとんど予備知識が無い状態で観賞した結果を記します。
ほとんど自分の記録のためです。あしからず。

 

リメイクの本作はファンタジーだった。

原作は、if(「俺が勝ってたら?」)の後はリアリズムのドラマ(※)ですが、
(※)ドラマ分類上のリアリズムではなくて、ここでは超常現象が起こらないと言う程度の意味で「リアリズム」と申し上げます。
本作はファンタジーでした。
リアリズムとファンタジーを間違えて鑑賞すると、かなりの誤読になる、と言うのが”趣味は小説の読書”の僕の経験です。
「これはファンタジーだ。」
とあらかじめ心得て観賞するのが良い、と思いました。

大きな違いは「こんど、会えるのは」となずなが典道に言うシーンの意味。

と、言うわけでここからは大いにネタバレなので、ネタバレを好まない方は、本作をご覧になって下さい。

 

「ファンタジーなんだ。」
とハッキリ理解したのは
「今度会えるのは」
のシーンでした。
原作では、なずな自身が転校することを知りません。
(ではなぜ駆け落ちしようとするのか、と考えると、存じ上げていたのかもしれませんが、ハッキリしません。リメイクでは、ハッキリさせた、と、理解するべきかもしれません。)
なので、典道に
「今度、会えるの二学期だね。楽しみだね。」
と言います。
実際には、これが二人の永遠の別れ。視聴者には、それが解っているので、感情が揺さぶられるクライマックスです。
また、このパラドックス筑摩書房が精査する前の)宮沢賢治銀河鉄道の夜」へのオマージュになっています。
と、言うようなことは、原作の解説DVDで詳しく紹介されて言います。
少年たちは花火を横から見たかった [DVD]

少年たちは花火を横から見たかった [DVD]

 
一方、リメイクのなずなは、あらかじめ母親が再婚して引っ越すことを承知しています。
ですので「今度会えるのは二学期だね。」とは言いません。
(ちなみに、原作は小学校六年生ですが、リメイクは中学一年生か二年生と思われます。)
ここが、原作とリメイクの大きな違いです。
 
僕はどちらも好きです。
原作は、ゴールデンのTV番組として、家族みんなで見ることを想定して作られているのに対し、
リメイクは、登場人物たちと同年齢向けのようです。
原作の「今度会えるの二学期だね。」は大人が見て、切ないです。
一方リメイクの「今度会えるのは」は、お互いを愛しく、大切に思う気持ちが存分に表現されているように思います。
異性を大切にする気持ち。良いですね。僕も中学生のころにこの映画を見ていれば。


中高生向け。

上映が終わった後、映画館内を見渡しました。
中学だか、高校の制服を着た生徒が沢山いました。
それぞれ皆さん感じるところがあったようです。ですが、すぐさま何かを語りあう様子はありませんでした。きっと内に秘めた感動があったのでしょう。後年思い出すのではないか。と思いました。

 

平べったい花火が炸裂。たまげた。映像美しい。

YouTubeで公開されているミュージックビデオで、おいしいところの映像がほとんどふんだんに見られます。
が、僕がたまげた平べったい花火は、公開されていません。映画館で見ましょう。

 

DAOKOが歌う「Forever Friends」も、また良し。

原作で象徴的に歌われるREMEDIOSの「Forever Friends」が、リメイクではどうなるのかな?
と思って観賞したのですが、リメイクでも感動的に「DAOKO」が歌っていました。
感情が高まるクライマックスで、感動的に歌われました。素敵でした。

 

宮沢賢治オマージュ色はフォローされず

僕がまだ読んでいない公式サイトのスペシャトークのタイトルに
銀河鉄道の夜」というヒント
とあるので、なにがしかのオマージュがあるのかもしれませんが
・ 理科の授業から始まったり、
・ お互いに永遠の別れを知らずに過ごす一日
などの「銀河鉄道の夜」フォローはありませんでした。
そこいらへんを勘案し
「あぁ、これは現代の登場人物と同年代の少年、少女向けなのだな。」
と納得しました。
その分、異性を大切に思う、気持ちをどう実行に移すか、に思いを馳せる良い映画になっているな。と思いました。
僕は満足です。
みなさんもどうぞ。

 

と言うようなことは、上映開始早いうちにブログにするべきなのにね。
と自分でも思うのですが、我がホームページが明日二〇周年記念と言うのを無視して、書きたい衝動に駆られた本日のエントリーでございました。