daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

人間とチンパンジーの遺伝子は99%一致するとは?

f:id:Daniel_Yang:20190426022231j:plain
photo : Daniel Yang September 10th, 2010 有名な地獄谷温泉のニホンザル

gigazine.net

他のブログで引用しようと思って調べました。

上記記事にあたりました。

下記YouTube動画の和訳です。


Are We Really 99% Chimp?

なるほど、僕は英語でしゃべられても解んないので、和訳はありがたいです。

で、なんとなくいろいろな単語があって、解ったような気になりました。

特に「人間は特別だ。」「他の動物とはちがうぞ。」と思いたい人は勇気づけられると思います。

 

「もっと詳しく調べよう。」

と、動機付けにもなりました。

この動画の説明は「DNA」と「遺伝子」の区別がついていません。そもそもあまり正確なところは目指していないようです。

 

で、調べたところ、どうやら、理研の2002年のプレスリリース

www.riken.jp

の1月4日の記事
(PDFファイルです。)

ヒトとチンパンジーを比較する世界初のゲノム地図が完成

が人口に膾炙されたものらしい、と推測しました。
 
ざっと読んで、僕が早合点も含めて理解した内容をまとめます。
・ 全ヒトゲノム解析中の研究報告
・ 「世界で初めて」の発表です。報告の中では「最初の一歩」と表現しているとおり「全てを完璧に解明した。」と言う報告ではありません。
チンパンジーのDNA解析で、人間のDNAに当てはめることができた箇所を比較しています。
 
翻って、動画の和訳を考えると、
・ 「大きく異なる人間のゲノムの25%、チンパンジーの18%を切り捨てて、残りを比較した結果」
と言うのは、一応言葉の意味ではマチガイとは言い切れないけれど、
かなり恣意的な誤解を期待しているように思えます。
例えば、この説明では、染色体の本数が異なる(チンパンジーが1つ多い)は全く無視しているように理解してしまいます。
実際は二つの染色体が融合して、人間の2番染色体になっているようです。(と言うのは、文部科学省委託研究開発事業のデータベースにある、東京大学大学院理学系研究科の数藤由美子の2000年の論文?
で説明されています。
つまり、この染色体の本数の違いは、ゲノムが比較可能な範囲のようです。
 
遺伝子を(設計図ではなく)料理のレシピのようなものと考えると、
英語で書かれたレシピであっても、
日本語で書かれたレシピであっても、
レシピに書かれたとおりに、二つの鶏卵を割って、フライパンで焼けば、全く同じ目玉焼きができます。
でも、文字を比較したら一致率は0%です。
 
と、言うわけで、ネットで雑に調べて、大急ぎで早合点した結論は、
 
・ そもそも、人間(=一種類の生物だけに限っても)いろんなのがいます。
・ 人種が異なれば見た目が随分と変わるけれど、
・ 人種間の差異よりも、同じ民族内での遺伝子のバラエティーの方が広いらしいです。
 
そういうわけで、
「どの程度同じなのか?」
は、
「タンパク質を作る」と言う遺伝子の本質的な機能の比較をするべきなのだな。
と改めて思いました。
 
「似ているかどうか」、「どの程度同じなのか」と考える場合、
バナナと人間だって、細胞を作る要素(ミトコンドリアがあって、核があって、と言うような要素)はかなり同じ。
と、考えられないと、生物の比較を話題に何てできないわ。
 
と言うわけで、オヤスミナサイ。良い連休を!