daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

反省しなくて当たり前

f:id:Daniel_Yang:20210811004611j:plain

article.wn.com

 

痛ましい事件です。

ニュース記事は「出頭の3人 自らの不安供述 反省口にせず」と冒頭で記し、出頭直後の三人に反省の弁を期待していますが、それは無理と言うものです。「これから自分はどうなるのか」などと供述しているのは、自然な態度だと思います。

 

おそらく、出頭直後に反省を口にし、被害者に申し訳ないと述べる方が、その後の刑罰も軽くなるのだと思います。でも、もし出頭直後の三人が、反省を口にしたとしたら、反省の弁とは裏腹に、逮捕後の量刑まで計算した計画的で冷徹な犯行であったことを危惧すべきであると思います。

 

と、言うのは、

反省させると犯罪者になります (新潮新書)

を読んでの知識です。

 

事件が起きると、犯行後、間をおかずに反省の言葉を期待する報道がなされますが、犯行直後に反省を求めると、更生の妨げになり、再犯率が高くなると言うことが記されています。

 

受刑者が更生し再犯しないようになるためには、

先ずは、犯行直後に自分の身ばかり案じる弁もしゃべらせ(誰かが丁寧に聞いて)

被害者に対する負の感情も(「あいつが悪いから殺されて当然だ」と言うような内容でも)しゃべらせ、

犯行に至る自分の動機を掘り下げる過程が必要だそうです。

(僕が読んで理解した内容を記しているので、正確に著書の内容を伝えられてないかも知れないけれど、そこはご容赦願います。)

そのようにして、自分が犯行に至るまでの動機や過程を振り返った後でないと、再犯しないように反省し、更生することは難しい、と言うか無理なのだそうです。

 

このニュースを読んで、

記事が出頭直後に反省を口にすることを期待しているようですので、

上記の本で指摘されている誤解(犯罪者が犯行直後に反省の弁を述べたら、更生し再犯しないだろうと言う誤解。真っ先に反省を求めると、逆に再犯率が高くなる。)のケースに相当すると思いましたので、日記に記しました。ニュース記事には、専門家のコメントなどを載せて、出頭した三人が反省を口にしないことは致し方ないことだと解説して欲しいところです。

 

痛まし事件に接すると、犯人にすぐさま反省を口にして欲しいと思うのは自然な感情だと思います。でも、すぐさま反省を口にしたとしたら、犯人は自分が犯行に至るまでの経緯を深く考えず、単にその後の量刑を軽くすることだけを計算していると疑うべきです。僕たちは「反省して欲しい」と言う感情を我慢し、先ずは自分の身を案じている容疑者が、犯行に至る経緯を振り返り始めた事を見守るしかない。と思いました。

 

このエントリーは、mixi日記として2013年 7月20日に記したものです。