Chikirinの日記2013年12月21日のエントリー
ブログ更新) 誰に評価されたいの? 上司? 会社? それとも…? → http://t.co/7hwFq4EnaC
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) December 21, 2013
「誰に評価されたい? 上司? 会社? それとも市場?」
に深くうなずきました。
冒頭を引用します。
2ヶ月ほど前、「日本では、製造部門を除き、生産性という概念があまりに欠如してるよね」っていうエントリを書いたら、「生産性なんて上げても給与が上がるわけじゃないから意味がない」みたいな反応があってびっくりしました。
このエントリーは、個人の生産性について述べているものです。
無駄に長時間会社にいることに意味を見いだす必要があるのか?
と疑問を投げかけ、
多少の残業代や、へんな社内評価など気にせず、せっせと自分の生産性を上げ、市場に評価される人になろうよ。
と提案しています。(と、僕は読みました。)
なるほど。出来れば僕も生産性の低い人にはなりたくないな。と思いました。
この記事はBROGOSでも取り上げられています。
ところで、本人のモチベーションとしてはこれ(市場に評価されるべし)で良いのだけれど、同じ職場で働く者としては、これでは足りない。と、言うのは、生産性の高さが評価されている人に三種類あると思うからです。
ここでは、個人の生産性を
「仕事の速さ」
と単純に理解して、同じ仕事をさせてみて、
先ず、仕事が速い人に二種類あるように思えます。
1. 仕事が速い。出来映えも良い。求められた事を的確にこなしている。
2. 仕事が速い。出来映えは雑。もうちょっと気を遣って欲しい。
この二種類については、
もちろん、
1. 仕事が速い上に、出来映えも良く、的確に求められた成果を挙げる
人を目指べきだと思うのですが、
これを細分して二種類の「仕事が速くて、求められた成果を挙げる」人がいると思うのです。(合計三種類)
これは、普段の仕事ではなく、たまに入る緊急の仕事をどのようにこなすかで区別して考えました。
1-a) 普段の仕事で使っているツールを使用し、普段の協力関係を利用して、急ぎの仕事をこなす人。
この人は、「生産性が高いねえ」と言われます。普段の仕事の仕方も、普段から協力してくれている仲間も共に評価されます。
1-b) 普段は使うことのないツールを急ぎの仕事のために借りてきて使用し、普段は関わりのない人に、「緊急のお願い。」と協力を持ちかけて手伝ってもらう人。
この人も、「生産性が高いねぇ」と言われます。ただし、普段の仕事がどうなのかはわかりません。また、この急ぎの仕事を手伝ってくれた人は大概評価されないようです。
ただし、評価は1-a) の人より高い傾向があります。なぜなら、このとき使用したツールを用意するコスト(時間や手間)が掛かりませんし、普段から気を遣っていざと言うときにも協力してくれる人間関係を構築するコストも掛からないので、より生産性が高く仕事が出来るからです。
僕が本日このエントリーを記すのは、1-b)について、
・ 自分が目指すべき生産性の高さ
と、
・ 評価する側、または同じ職場の仲間として高い生産性を追求する場合
の両面から、注意が必要なのではないか。
と考えたからです。
組織を離れて別の組織、または個人で仕事を始めた場合、
1-b) のタイプの人は、この生産性の高さは維持できません。
ですから、自分が「生産性の高い人になろう。」と目標を掲げた場合は突発的な仕事を素早くこなす事だけではなく、普段の仕事を素早く、正確に、求められていることを的確にこなせるように工夫する事が大切だよな。
と思う次第です。
また、1-b) のタイプの人は、社内で評価されて出世したとしても(実際、このような人は良く出世するようですが)、組織としては生産性が高くなりません。
ですから、評価する側としては、突発的な仕事が速いかどうかよりも、日常的に生産的かどうかを評価するべきだし、
同じ職場で働く人も、あまり親切にしすぎてはよろしくないのではないか。
と思う次第です。
もし、会社のエライ人からの突発的な指示で緊急性を要する仕事が割り込んできたら、出来た仕事の成果物は、「ちょっと手伝ってくれよ。×○部長の仕事なんだ。」と仕事を持ってきた人に渡すのではなく、×○部長に直接渡すべきです。
そうしないと、表面的に生産性が高い人が評価されて、組織としての効率が下がってしまいます。
1-b) のタイプの人の特徴は次の通りです。
・ 評価が高くない部署に所属している人
・ その部署の中で、一人だけ生産性が高いように感じられる人
1-a) のタイプの人が所属する部署は、部署として評価が高いはずです。
また、評価が高い部署の中では、所属員全員が良好な人間関係の中で仕事をしているので、一人だけ生産性が高く見える事はありません。
サッカーで喩えると、本当に優秀なエースストライカーが、自分のゴールを自分だけの手柄としてアピールせずに、アシストしたプレイヤー、ディフェンスの優秀さをヒーローインタビューで述べる事が挙げられると思います。
本当に優秀なエースストライカーは、普段から自分がアシストされやすいように、チームのメンバーとの連携の練習をしているだろうし、ディフェンスが仕事をしやすいように気を遣っていて、他のメンバーもそれを理解しているのではないか、と思います。
ーーーーーー
言いたいことは以上です。
余談
1-a) のタイプの人って、自分の仕事だろうが、人の仕事だろうが、上手く出来れば満足するものです。
ですから、1-b) タイプの人が、1-a)タイプの人のツールを使って、1-a)タイプの人の協力で出来た仕事を、個人の生産性の高さとしてアピールしても、1-a) タイプの人は、あえて文句を言わない人が多いように思います。
だから、評価する側や、組織の所属員は、1-b)タイプの人に気をつける必要があるのです。
余談2
他部署の人の使っているツールを借りて仕事をする場合、
もし、それがすぐに使えて、便利だったとしたら、その部署の普段の仕事っぷりがすばらしいことを、その成果を上司に報告する際に一言口添えしましょう。
その心遣いが、組織の中でのあなたの生産性を維持します。
以前、高校時代の友人が嘆いていたのを思い出しました。
「隣の課長が高く評価されてる人なんだけれど、彼が分析装置を使うと、その後が大変なんだよ。試料台を洗浄して、サンプルテーブルを原点に戻して、試料作成用の薬品を補充して。つまり、普段使っている人が、準備すること、後かたづけすること、など何もかも俺たちに残していって、本人は、部長に「俺がやれば、二時間で結果が出せるんですよ。」としゃぁ、しゃぁ、と言うんだぜ。」
ーーーーーー
今日はクリスマスイブ。明日は給料日。
皆さんの今年一年は如何でしたか?
僕は、ぼちぼち楽しかったです。
来年も良い年でありますように(ー人ー)