daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

甲状腺被曝被害は防げたようですね?

 

しつこいようですが、ブログにて詳しく述べますです。


検査結果を確認しました。

要二次検査(B判定、またはC判定)となった人の割合は、 

福島県内;0.7% 

福島県外(青森;1.3%、山梨;1.1%、長崎;0.6%)

福島県の結果は他の県の検査結果と同等(中間よりやや少ない)でした。

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福島県内で二次検査を実施した結果、悪性ないし、悪性の疑いと診断された人が59人いました。
県外での二次検査については、今呼びかけている最中です。


ーーーーー 以下、ニュース記事引用 ーーーーー

 郡山市医師会理事で小児科医の太神和広医師は「県外の子どもに大規模な甲状腺の検査をして比較すべきだ。そうすれば1年以内に科学的な結論が出る」と訴えた。環境省は、長崎や青森の子どもの甲状腺検査を行ったが、対象は4500人だけで、これまで、がんは見つかっていない。

ーーーーー 以上、ニュース記事引用 ーーーーー

 

あたかも医師が比較すべきだと言ったことを無視して比較していないものを、
記者が、環境省の調査を見つけて、比較した結果を記事にしているような印象を受けます。
そして、記事を読むと、次のような印象を受けます。

環境省原発事故の影響がない福島県外の子供の検査を実施した。
しかし、検診者数は4,500人。比較としては少ない。

・ 検診者数が4,500人と少ないながらも、福島県外の子供の検査結果からがんは見つかっていない。 

つまり、福島県内での検診者約23万9千人のうち59人ががんやがんの疑いと診断されたのは、原発事故の影響である。 


以上は、ニュース記事を読んで、僕が理解した内容です。

しかしながら、検診結果をネットで見つけて確認したところ、これは誤読であることがわかりました。


以下、僕がネット検索した結果をお知らせします。
(福島県の子供の検査結果も、県外の検査結果もウェブで見つかりました。)

☆ 福島県での調査結果は、
C判定:0.0%(238,785人中1人)
(直ちに二次検査を要するもの)

B判定:0.7%
(要二次検査。5.1mm以上の結節や、20.1mm以上ののう胞をみとめたもの)
です。


☆ 福島県外の検査結果で、
C判定はゼロです。

B判定は、
青森で、1.3%
山梨で、1.1%
長崎で、0.6%
です。


同じ検査から比較して読み取れるのは、
大きな違いが無い。
と言うことだと思います。
皆さんは、どのように読まれますか?


ニュース記事では、
誤って
・ 県外の甲状腺検査結果でC判定が無かったこと

・ 福島県の検査で、Bないし、C判定だった1559人に、二次検査(穿刺吸引細胞診等)を実施した結果、悪性ないし悪性疑いとされた59例
を比較しているようです。

異なった検査の結果を比較しているもので、
このニュース記事の書き方は不適切、または誤報と言うべきです。

福島県の子供は不安に思ったかも知れませんが、 要二次検査と診断された人の割合は、
県外の結果と比較して、差異がない(三県での結果の中間よりやや少ない結果)でした。
安心して良い結果だと思います。

 

ーーーーー


県外のB判定の方の二次検査は、現在計画中で、まだ結果はわかりません。
ただし、B判定の方は合計で、42人です。
福島県で、B、C判定の1559人のうち二次検査を受診した1,148人から、59人が悪性ないし悪性疑いとの検査結果ですから、
同じ割合であれば、一人、ないし二人(1.59人)が悪性ないし悪性疑いとされる計算です。
統計的な比較をするには、少ないですね。
統計としては、少なくとも県外の受診者の数を十倍程度(4万人の子供)にする必要があると思います。

ですが、
B判定になった方の割合は比較可能で、ほぼ同じです。

次のように想定することが可能なのではないですか。
「どうやら、子供への甲状腺被曝被害は防ぐことが出来た。」
これは、チェルノブイリの教訓(※)が生かされた結果だと思います。

(※)原発事故での放射線被曝で最も注意すべきは、甲状腺ガンの原因となる、子供の放射性ヨウ素摂取。 

なお、放射線ヨウ素半減期は8日間と短く、この被曝を避けるための措置は、直後から一ヶ月程度が勝負と言えます。

 

ーーーーー

 

以下、検索した、検診結果のありかを記します。


・ 福島県の子供の調査結果
福島国際医療科学センター
放射線医学県民健康管理センター
http://fukushima-mimamori.jp/

から、
甲状腺検査
> 結果
http://fukushima-mimamori.jp/thyroid-examination/result/

から、
第13回「県民健康管理調査」検討委員会(平成25年11月12日開催)

「第13回検討委員会 資料2 『甲状腺検査』の実施状況について」はこちら
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/251112siryou2.pdf


・ 県外の調査結果
環境省のウェブサイトで閲覧できます。
環境省>保険・化学物質対策>放射線健康管理
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/support.html

から、
福島県外3県における甲状腺結節性疾患有所見率等調査成果報告書について
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/attach/rep_2503a_full.pdf