daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

「偏差値教育は良くない」と言うのは間違っていると思う。(用語法において)

「偏差値教育は良くない」と言う言葉の間違いを指摘したかったのが昨日のエントリー
ですが、
言いたいことを複数記してしまったため、上手に書けていません。
 
もう一度チャレンジします。
 
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「偏差値教育は良くない」と言う用語法は間違っています。

 
”偏差値”
とは、テストの点数を比較評価する数学的な換算手法の一つです。
 
”偏差値”のほかにもテストの点数を比較する方法として、
”平均点移動法”などがあります。
 
また、換算式を用いないで、
(異なる難易度のテストであっても)
点数そのものを、そのまま評価する手法があります。
 
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偏差値は良くない
と言う人が、
「テストの点数を偏差値換算するのは良くない。テストの点数は、換算式を用いずに、平均点が60点のテストでの50点でも、平均点40点のテストでの50点でも、どちらも同じ「50点」として評価しなければならない。
と言いたいのであれば、
偏差値はよくない
と、表現するのは適切です。
 
「偏差値はよくない」
と言うのは、
別の換算方法なら良い。
とか、
換算式を用いずに、点数はそのまま比較するべきだ。
と言う意味です。
  
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現実社会でも、”偏差値”を使うことを避けて、点数をそのまま比較しているケースがあります。
センター試験の選択科目がそうです。
 
社会や理科は、複数の科目から選んで受験することが出来ます。
(社会の場合、歴史 or 地理とか。理科の場合、物理 or 化学など)
 
そして、合否判定は、そのままテストの点数を比較して決められます。
だから、平均点が高くなる、易しい、高得点がとれる科目を選択するのが有利です。
 
「僕は物理が得意だから。化学はからきしダメだから」という人であっても、
例えば、
物理の平均点が30点、
化学の平均点が60点なら、
化学で受験するべきです。
 
物理の平均点30点に対し、40点を取る人は平均以上の点数です。
化学の平均点60点に対し、50点を取る人は、平均点以下です。
 
でも合否の境目が45点にあった場合、
合格するのは、化学で50点をとった人です。
物理で40点を取った人は不合格です。
 
 
もし、選択科目の点数を偏差値換算して評価するのがルールであれば、こんな誤った合否判定にはなりません。
偏差値換算は、異なる難易度のテストを、正しく比較することができる優れた換算手法です。点数をそのまま比較するのではなく、偏差値換算して評価すれば、化学を選択した人も、物理を選択した人も、平均点に対して、良い点を取ったのか、低い点をとったのかを公平に比較して、合否判定がなされます。
 
 
しかしながら、世間一般に
「偏差値は良くない」
と認識され、社会のコンセンサスになっているようです。
これは正しい用語法で解釈され、
「偏差値換算が良くない。別のテストの点数比較手法が良い。または、換算せずにそのままの点数を比較するべきだ。」
と、センター試験で異なる難易度の選択科目を受験しても、
丸の数で決まる点数をそのまま比較して合否判定に使われていると言うことです。
 
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偏差値は良くない
と言うとき、
それは、
偏差値
ではなく、
テストの点数
を意味しているのではないかと思うのですが……。
 
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そろそろ、
「テスト重視の教育は良くない」
という所を格好を付けて
「偏差値重視は良くない」
と専門用語を誤って用いて言うのは
やめませんか。
 
テスト重視が良くないという場合には、そのまま
「テスト重視は良くない。」
と言いましょう。
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専門用語は、時に、特定の印象を持って一般に使われますが、
実際のところは、流行語のようなもので、
そのとき、その地域でしか通用しないものです。
 
例えば、
「偏差値教育はよくない」
を英訳する際には、
そのまま
The deviation value education is not good.
と訳さずに、
一旦日本語を
「テストの点数を重視する教育は良くない」
The education to attach great importance to the mark of the paper examination is not good.
と訳すのが、
「偏差値教育はよくない」
と言う人の真意を伝えることになると思いますが、いかがでしょうか。
 
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「テスト重視はよくないよ。」
と、専門用語を用いずに語ると、外国語に翻訳されても誤ったメッセージにはなりません。
オススメです。