daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

リップヴァンウィンクルの花嫁(岩俊二監督作品の劇場公開映画)を観ました。3

語り出したら止まらなくなりました。
その1.

リップヴァンウィンクルの花嫁(岩井俊二監督)を観ました - daniel-yangのブログ

その2.

リップヴァンウィインクルの花嫁(岩井俊二監督作品)を観ました2 - daniel-yangのブログ

の続きです。

2. タイトルの解説。

僭越ながら、タイトルを説明します。

リップヴァンウィンクルとは、米国の小説家ワシントン・アーヴィングによる短編小説の主人公の名前です。

 この短編小説は、岩波文庫のスケッチ・ブック(上)

スケッチ・ブック(上) (岩波文庫)

スケッチ・ブック(上) (岩波文庫)

 

 に収録されているようです。

が、しかし、映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」とはあまり関係が無いようです。

もしかしたら、何かの比喩になっているのかもしれないけれど、僕はアーヴィングの小説を読んでいないので判りません。

映画では「リップヴァンウィンクル」をハンドル・ネームにしている人が登場します。

映画のタイトルは黒木華演じる主人公「七海」がその人と結婚(のようなもの)をする物語。と言う意味があるようです。

アーヴィングの小説よりも、主人公の七海がハンドルネームに宮沢賢治作品から引用しているのが、岩井俊二監督作品らしいな。と思いました。

その辺のことも、

岩井俊二監督と宮沢賢治 - daniel-yangのブログ

に書いているので、よろしければご参照ください。

3. 三時間くらいの作品です。

映画は三時間ぐらいの長い作品でした。

が、観ている間は、長さを感じませんでした。見終わった後に「おぉ、ずいぶん長い作品だな。」とわかった次第です。

ハイライトである(原作小説の帯に記されている)

「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」

と真白が語るシーンで

「ずいぶんたっぷりと見せるな。」

「時間の関係で端折りました。と言うところが全く無いぞ。」

と気がついていましたが。

もしかしたら、上映映画館が限られているのは、この長さかものせいかも知れぬ。と後になって思いました。

観る方としては、お値段は同じで、出し惜しみの無い、贅沢な映画を観られるのですからお得感も十二分であった。と大満足ですが。

見終わった直後に「来週、もう一度観たい。」と思いました。

しかしながら、さすがに松山まで通うのは(映画料金よりも、交通費が3倍くらい掛かるんで)尻込みしました。ゴメンナサイ。

と、言うよりも、早くDVDか、Blu-rayにならないかな。と思います。

3枚組があったら、必ず3枚組を買います。

スワロウテイル」の時には、特典映像で、少女がチョウチョを追いかけるシーンの蝶がジツはCGだった、と明かされていますが(監督が「CGをCGとして見せるのではなく、判らないように使う」と言うようなポリシーも述べられていましたが)

この作品では水槽を泳ぐ美しいクラゲと、水槽の向こうでグラスに耳を傾ける真白と七海に交互にピントが合う感動的な映像美が印象的でした。あのシーンがどのように撮影されたのか、DVDか、Blu-rayの特典映像で、種明かしをしてもらいたい。

もし、CGで無いとしたら、すっごい時間を掛けたか、計算したか、泳ぐクラゲがジツはロボット(てことは無いだろうけれど)なのか、うーん、知りたい。

4. 主役と主人公。

主人公の七海を演じるのは、今をときめく黒木華

初のテレビドラマの主役も演じてますね。

www.tbs.co.jp

映画では、大学を卒業した社会人一年生の役で、男女交際の経験が無いまま、早まって結婚をしてしまうところからスタートする役ですが、

つまり、ふつーの女の子と言う役ですが、

演じている女優は今をときめくスターのはずですが、映画を観ていたら、ふつーの女の子に見えました。

その他、この映画を観ていて気がついたのは、演じる俳優は皆さんすっごい演技をしているはずなのに、お芝居を観ている気がしないのが不思議でした。

たとえば街を歩いていて、すれ違ったカップルが、何かを言い争っているのを観てしまった時のような感覚です。お芝居を観ていると言うより、他人の日常をのぞき見ているような感覚がする映画でした。

そこいらへんの工夫は、岩井俊二監督作品のサイト

iwaiff.com

で、役者さんのインタビューが公開されていますので、これを聴くと、よーく判ります。

ただし、このインタビューは、内容にも深く触れていますので、見終わってからの方が良いと思います。

 

えっと、このエントリーはまだ続きます。続きからは僕の感想を述べる予定です。

では、ごきげんよう。また。