daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

とうもろこしで、統計の自由研究をしてみよう

永江一石のツイートを読みました。
NHKのニュース記事のイメージ映像が、間違っています。
 でもさ、僕も、みんなも
「え? とうもろこしってゆでて食べるものじゃないの?」
て思うでしょう?
どうやら違うらしいのです。
 
ゆでたりして、そのまま食べるトウモロコシの国内年間生産量は23万トンですが、
飼料用の生産量は10倍以上の400万トン程度あります。
「とうもろこし」
と言えば、飼料用なのです!

調べましょう!

「知らない事は、調べてみましょう。」
インターネットが発達した現在は、PCさえあれば、調べられるのでは?と思ったので、これからとうもろこしの輸入がどうなってるのかを調べてみます。
(と、言うのは、最近の世の中の人は、みなPCを使わずにインターネットにアクセスしているらしいので(僕はPCしか使えない(>_<))悔しいのでPCじゃないとできないことをやってみよう。と言う意図もあります(=^_^;=)
 うかうかしていると、無知で恥をさらす人が増えているようなので、急ぎますね。
この人は「国内産とうもろこしで飼料が充分にまかなえるのに、詭弁を弄して輸入しようとしている。」と思い込んでいると思われます。
しかし実際は、
国産飼料用とうもろこしの収穫高は400万トン程度。
毎年の輸入は一千万トンを超えます。
輸入がなければ、国内の牛やニワトリの餌がまかなえないようです。
国内でも、もっと栽培しよう!という試みもあるようですが
まず、ざっくり検索してみると、こんなサイトでお勉強できました。

www.starch-touka.com

で、僕が今日やろうとしていることは、
上記統計が約十年前のものなので、

もしかしたらリンクした日本スターチ糖化工業会のウェブページの古いものを僕が拾っただけかも知れないけれど、そうだとしたらゴメンネm(v_v)m)

これを最新のもので確かめてみようという趣旨です。

政府統計を読む

上記工業会の統計は、
米国農務省 「Grain,Oilseeds : World Markets and Trade」
財務省貿易統計
です。米国農務省の統計をもらうのは(英語苦手だし>俺)あきらめて、
本日は国内の政府統計を探ってみます。
先ずは政府統計の総合窓口に行きます。

www.e-stat.go.jp

分野から探します。

www.e-stat.go.jp

先ほどの国内の飼料用トウモロコシ収穫量約400万トンは、農林水産業

作物統計調査 | すべて | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

ここで青刈りとうもろこしの統計を読んだものです。

www.e-stat.go.jp

ここで「青刈り」ってもしや!と思うのは、日本国内での「飼料用とうもろこし」は、人間が食べるスイート・コーンを大きく育てるために、一つだけ残して、他を実が熟さないうちに摘み取ってしまった間引きなのかもな。と言うことです。

そうだとすると「わざわざ飼料用のとうもろこし」を輸入するなんて!と思ってしまうのも納得できます。が、しかし。

本題の輸入は、

国際

農林水産物輸出入統計

www.e-stat.go.jp

普通貿易統計で、とうもろこしに関連する項目を選択して検索します。

www.e-stat.go.jp

1/4 統計品目表(輸入)
は、1005代の10項目
2/4 当景品目標の数量・金額
は、単位1、単位2、合計_数量1、合計_数量2、合計_金額の5項目
3/4 国
は、226ヵ国全部。(あとで表計算ソフトで貿易がない国を削除する)
4/4 時間軸(年次)
も5カ年全部

グラフにしてみましょう

2018年に絞ると、輸入量の合計は1,580万トンでした。

f:id:Daniel_Yang:20190827020648p:plain

うち、70%が、飼料用

とうもろこし_その他のもの(種ではない)

2 その他のもの_飼料用のもの(関税の監督の下で資料の原料として使用するものに限る。)

で、1,108万トンです。

そのうち1,009万トンはアメリカからの輸入です。

f:id:Daniel_Yang:20190827021847p:plain

ニュース記事では、うち250万トンの輸入を「前倒し」すると言うことです。

月次統計を見ると、毎月コンスタントに購入しているのではなく、年に何回かまとめて輸入しているようです。

つまり、トランプ大統領には「買ってあげるよ。」と言いつつ、

実際は「次にまとめて輸入する分を前倒しするだけ(かもしれないなぁ)」と思います。

ちなみに二位で22%は、コーンスターチの原料

2 その他のもの_関税定率法第13条第1項の規定の適用を受けないもの_当該年度における国内需要見込み数量から国内生産見込み数量を控除した数量を基準とし、国際市況その他の条件を勘案して政令で定める数量以内のもの_コンスターチの製造に使用するもの

で、3,416,699トンです。

コーンスターチについては、メーカーの下記ページでわかりやすく説明されています。

オススメですので、一緒にお勉強しましょう

www.sanwa-starch.co.jp

 

まとめ

トランプ大統領には

アメリカに有利な交渉をしたぜ」

と言うネタを与えたわけですが、

日本は、実際は何ら譲歩していないのかもしれません。

 

「とても上手な貿易交渉をしたのかもな。」

と思いました。

 

だいぶ夜更かししましたが、会社帰り(近所のプールで600m泳いで帰って)平日でもこの程度は調べられます。

ニュース記事を書いたり、ツイッターで批判するなら、見当違いなことをいって恥をかくよりも、この程度調べてみてはいかがですか?

と、偉そうに思いました。

それは、そうとしても、調べてお勉強するのは楽しいので、例えば夏休みの宿題(自由研究)でなくても、皆様も機会があればチャレンジしてみて下さい。

それでは、残り少ない八月を愉快に過ごしましょう。おやすみなさい。

 

ここで、「じゃ、僕がニュース記事を書いたらどうなるか」と言うことで、続きを書きました。

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