daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

とうもろこしで、、、2

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August 10th, 2019 photo by Daniel Yang at Niko-buchi waterfall basin. PENTAX K-S1 82mm 1/200 sec, ISO-200 f/11
の続きです。
とはいえども、このNHKのニュースは、読めばわかる内容でした。
(他に大衆扇動型の新聞が、わざと解りづらく記事を書いているのを見て、思い直しました。)
僕が付け加えるとしたら以下の通り。
日本は、年に何回かに分けてまとめて250万トン程度ずつ、毎年1000万トン程度のとうもろこしをアメリカから輸入している。
今回の安倍総理大臣とトランプ大統領が共同の記者発表で明らかにした合意は、
「追加で250万トン」
なので、実際には追加ではない。
「例年の通り、次も250万トンまとめて輸入します。」
なのだ。
いつもの通りの輸入を、あたかも交渉でトランプ大統領が勝ち得た日本の妥協のように表現したリップサービスだ。
しかし、単なるリップサービスではない。
首脳が共同の記者発表で明らかにしたことにより、国際相場が高値に動く。
「日本が買うんだってよ!」
だぶついて、安値に振れていた相場が持ち直す。
アメリカのトウモロコシ農家にとっては、実利を伴う朗報だ。
日本国内では飼料用とうもろこしは、ほとんど作ってないが、間引きした青刈りのスイート・コーンを飼料用に販売しているので、日本のトウモロコシ農家にとっても朗報だ。
苦情を言うとすれば、輸入業者や、飼料メーカーで
「折角安く買えるところを、値段つり上げやがって。」
消費者にしても、飼料価格が上がれば、鶏卵や、和牛の価格に転嫁されるだろうから、文句を言いたくなるところだろう。
今回面倒な政府統計をPCの表計算ソフトで集計してみてわかったのは、こんなところです。
基本的な数値をざっくりおさらいします。

1. 日本で栽培しているトウモロコシは、食卓でもおなじみのスイート・コーン

年間23万トン(2017年)収穫されています。

2. 飼料用とうもろこし。国内では年間400万トン収穫

おいしいスイート・コーンを収穫するために、一株に一ふさだけ育て、残りは青刈りしてしまいます。青刈りした未成熟のスイート・コーンは飼料用として販売されます。この量が約400万トンです。多いね。

3. 飼料用とは、牛や豚、ニワトリの餌です。

ニワトリはわかるのですが、本来草食動物である牛も、今は穀物であるとうもろこしを食べているそうです。
年間1000万トン以上のトウモロコシ飼料が日本国内で販売されているようです。

4. とうもろこしは日持ちする。

青刈りの未成熟のスイート・コーンで足りない分の飼料はほぼ9割がたアメリカから輸入しています。
輸入コスト削減のためか、数ヶ月に一度、まとめて輸入しているようです。
一回あたり250万トンとか。
年度をまたぐ在庫に税制も配慮されていることから推測して、輸入業者は、おそらく安いときにまとめて購入し、在庫から少しずつ国内の酪農農家に販売していることが推測されます。
 
感想

1. 自由研究にはちょうどよい統計のトレーニングになります。

インターネットが便利に使える時代です。政府の統計サイトから、統計を引っ張り出し、
PCでデータを加工して、トウモロコシの生産や消費の状況を自習することができました。
ただし、政府の統計は、品目を数字で選ぶので「とうもろこし」関連の品目を(今回僕は8品目選びましたが)別の統計をあらかじめ入手し、選んで、数字をメモしておく必要がありました。ちょっとした集計の訓練になります。

2. 貿易は大切だ。

「国産割合を増やそう」とか「地産地消しよう」とか。
あたかも正義の味方のように言われますが、実際に国産の飼料を(田んぼをトウモロコシ畑に変えて)作ろうと思ったら、大変。
値段は高いくなって(もちろん伴って和牛の値段も高くなって)不作の年は家畜も腹ぺこだ。
安易に
国産化しよう」
と言うよりも、
「世界の国々と仲良くして、安定供給してもらおう」
をスローガンにした方が(経済学の国際貿易理論「比較優位」理論による分業での効率化が図られ)
「おいしい食事が、安心していただける。」
と思いました。

3. 牛は牧草で育つのではなかった!

牛は強力な複数の胃を持ち、僕たち人間が消化できない牧草(の食物繊維)をブドウ糖まで分解し、栄養として 採ることができる。
だが、現代の食肉用の牛は牧草だけ食べさせていても、おいしい肉にはならない。穀物を食べさせる必要があるのでした。
人間が直接穀物を摂取するのに比べて、一旦牛に穀物を食べさせ、その牛を肉として人間が食べる場合、7倍の穀物が必要になるそうです。
いつの日か、食糧難の時代が到来したら、ぼくらは牛に与える飼料としての穀物を「人間用」としてぼくらが食べることで、餓死者を減らせるのだ。と理屈を得ました。
 
自分で調べてみると、いろいろな学び、気づきがありました。
読者を煽るニュース記事に反応して、反射的に非難のコメントを書くのは気楽にできますが、こうして「自分で調べてみよう」とキーを叩いてみると、「早起きは三文の徳」ならぬ、「調べ物は、三つの気づき」とお勉強になりました。
これも、今回調べて得た教訓です。
 
それでは、夏休み中の皆さん、残り少ない夏休みを愉快に楽しくすごしましょうぞ。
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