daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

湿度100%で酸欠にならないの?

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May 5th, 2019 from Ushiro, Takizawa City, Iwate Pref.
photo by Daniel Yang PENTAX K-S1 + DA L18-55mm
ISO 200, f/11.0, 1/160 s, with Polarizing filter, 35 mm equivalent focal length : 72mm
岩手山は標高2,037m。
高山病は、標高2,400mあたりから、要注意だそうです。

湿度100%で酸欠にならないの?

随分前に、ネットで話題になっていました。
直ぐに「大丈夫」と結論され、そのままにしていました。
 
「大丈夫」と言うのは、
「湿度100%」と言うのは、
×「大気の100%が水分」
ではなく
○「空気中の水分が飽和水蒸気圧の100%」
の意味だからです。
 
気温25℃の飽和水蒸気圧は、32hPa。大気圧1,013hPaの約3%。
いうなれば
「気温25℃の湿度100%は、水分量3%」
なのでした。
 
酸素の分圧も
湿度0%の時の212hPaから、
湿度100%でも205hPaにしか低下しません。
 
高山病に注意すべき標高2,400m
酸素分圧約180hPa程度から酸欠要注意です。
だから、湿度100%で、酸素の分圧205hPaは、酸欠の心配ご無用なのです。
 
本日は「ちゃんと計算してみよう」と思い、記事にします。

大気圧と分圧

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 先ず、分圧について説明します。
大気圧×成分の割合
で、窒素や酸素など、空気の成分の分圧が計算できます。
大気圧を1,013hPaヘクトパスカル
酸素の濃度は、約21%ですから、
1,013×0.21=212
標準的な気圧だと、酸素の分圧は212hPaです。
この酸素分圧で、我々は普段生活しているわけです。快適\(^O^)/
 
日本登山医学会のウェブサイトで、急激に標高2,500m(メートル)に登ったときには、高山病に要注意とありました。
wikipediaでは、2,400mから要注意と書いてあったので、
2,400mの場合を計算しました。
大気圧は、低地の1,013hPaに対し、
標高2,400mでは、850hPa程度に低下します。
酸素の割合は21%で変わりありませんので、
850×0.21=178
酸素の分圧は、178hPaと計算できます。
これが、要注意の酸素分圧です。
ちなみに、グラフには、窒素と酸素以外に、アルゴン(約1%)、二酸化炭素(約0.03%)も書き込んでいるのですが、ほとんど表示されませんでした。少ないです。

湿度を考慮すると

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 湿度100%の時の水蒸気の分圧は、水の蒸気圧です。
25℃の時の水の蒸気圧は、32hPaです。残りの大気成分の割合は変わりませんので、
比例して、酸素の分圧も低くなり、
205hPaです。
湿度0%で、212hPaですから、少しは減るのですが、高山病要注意の178hPaにはまだ余裕があります。
同じように40℃は、水蒸気圧73hPaで、酸素の分圧は、197hPa。まだ余裕です。
ちょうど気温55℃の時に、水蒸気圧157hPaで、酸素の分圧が179hPaの計算になります。
湿度0%の標高2,400mの酸素分圧(178hPa)とほぼ同じです。
つまり、
「気温が55℃に上昇して、湿度が100%なら、高山病(酸素不足)に注意しろ!」
と言うことです。
 
ただし、55℃の環境でしかも、湿度100%てのは、南の島のジャングルでもあり得ない気候。
ジャカルタの現在気温27℃、湿度81%だそうです。

まとめ

「いくら湿度が高くなっても、山の高いところに登ったときの高山病の様な酸素不足の心配は無用。」
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標高1,400mの山の上の温泉に登ったときの大気圧は867hPaでした。
同じ計算で、気温25℃湿度100%ですと、
酸素の分圧175hPaで、高山病要注意です。
しかしながら、実際は気温が25℃もある晴れた昼間だと湿度は30%程度。
酸素の分圧も200hPaくらいはあります。
湿度が高くなるのは、気温が下がって、蒸気圧が下がったときです。
ですので、いずれにしろ、空気中の水分量は少なく、酸欠の不安はありません。
標高1,400m程度ではd(^-^)ネ!
 
ほいじゃ、またね(^.^)/~~~