daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

ウソばっかり! 人間と遺伝子の本当の話 / 竹内久美子 著 ワニブックス2018/6 を読みました2

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メインブログに書いた読書感想文の続き。
本書
第3の部屋 印象
8つめ(ラスト)の話題「体育会系の部活などで、上下関係が厳しいのはなぜ?」
雌鳥の順位決定までの消耗と、決定後は決して変更に挑戦するものが現れない例を挙げているのは、従前のファンにはなじみのあるエピソードです。
本書では、これを人間社会に類推して、体育会系の(必ずしも実力に拠らない)上下関係の意味を考えています。
人間社会でも平穏に過ごすことができる効用があることを説いていて、納得しました。
僕は読んだ後、しばらく考えて、他にも当てはまる社会があることに思い当たりました。
学園ヒエラルキー
一つは、学園ヒエラルキーを形成している状態。勉強の出来不出来、足の速い遅いに必ずしも比例しない学園ヒエラルキーも、この類い(無用な争いを避けるための実力主義でない仮の順位付け)だと思いました。
職場
もう一つは、あまり実力を必用としない(だれでもできる仕事ばかりの)会社の職場。威張って人に言うことを聞かせられる人が「人当たりが良い」「技術がわかる」など曖昧な評価で管理職になっている例。
こういう実力に拠らない順位付けに慣れて、「実力主義」でやっているつもりの社会が多そうだな、と思いました。

 

学園ヒエラルキーの上位にいるものや、祭り上げで管理職になっている人の実力の無さが露呈しそうに成ったときの危うさって、ちょっと面白い。
無理を通そうとする必死な姿と、無理を押し通すやり方
例えば、新人に何も教えずにやらせて、失敗させてから「俺のやり方をみろ」とやっぱり教えずに「だめなヤツ」と落胤を押す、とか
案外それを真に受けて「この人はできる。」「新人はダメだな。」と評価を定着させる過程を見た人の話を聞いたことがあります。
よくも、その会社はやっていけものだな。と感心しました。
おそらく、職場の仕事の内容が高度なものではなく、楽な職場なのだろうな。と思います。
経営者の人にとって、そんな職場を抱える状態が、とんでもないことなのか、それとも、それでもやっていけるから良いのか、は僕は存じ上げませんが。
学園ヒエラルキーも実害がとんでもないことにならない限りは放っておくのかもしれません。存じ上げませんが。
 
一方、実力以上の地位についていた人が、実力の無さを取り繕っている糸がほどけて精神に異常を来した例をいくつか聞き知っています。
また、取り繕いがほころびる前に会社を抜け果せた人の話も聞いたことがあります。
 
僕はそんな綱渡りを好まないので、気楽にうだつの上がらない一生を送ることに成りそうです。
 
たしか、成人する頃に、月に祈って
「願わくば、気楽な一生を送らせたまえ。」
と拝んだ記憶があります。
どうやら、願いが届いているようです。

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