daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

地球と月のスィング

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Photo : Daniel Yang ; January 31st 23:57, 2018, PENTAX K-S1, ISO 400, f/9.0, 1/320s 450mm at Nankoku city, Kōchi Pref.

「潮の満ち引きは月の引力」と言うけれど、

僕が好きなJ popでも時々歌われる
「潮の満ち引きは月の引力♪」
夜の海岸の風景が目に浮かぶようで、詩情として優れた文学性があると思います。
 
でも、
「潮の満ち引きは月の引力」
を真に受けて考えると、
実際の潮の満ち引きの動きとは異なります。
 
これらの唄から潮の満ち引きを予測して船を出したり、漁に出る人はいらっしゃらないでしょう。ですから、歌詞の理解が間違っていても弊害はありません。
このエントリーの趣旨はJ popをディスることではありません。
 
このエントリーは、
「では、本当はどうなの?」
と、僕が考えたことを披露するものです。
 
潮の満ち引きが月の引力(だけ)に因るのだとすると、次の通りになるはずです。
月の引力に引っ張られるから、
海が月側に向いたとき=砂浜に立って、月が天高く昇ったときに
上空方向に引力が働いて、満ち潮になり、
海が月とは逆側に向いたとき=砂浜に立って、月が沈んでから約6時間後に
地面の下方向に引力が働いて、引き潮になる。
つまり満月の日は真夜中に満潮を迎え、昼間の正午ごろに干潮となるはずです。
新月の日は、逆に昼間の正午頃に満潮となり、真夜中に干潮となるはずです。
ところが、実際の潮の満ち引きは異なります。
だって、潮の満ち引は、一日に二回です。(@_@;)

「月と地球の関係は、惑星と衛星」と言うけれど、

実際は、月と地球の関係は
「惑星と衛星」
と言うよりは、
「連星」
です。
 
月は派手に地球の周りを回っているけれども、
地球だって、若干月の周りを回っている。
(重心を中心に、互いに回り合っている。)
 
ただし、連星として考えると、月に比べて、地球の方がだいぶ重い。
重心は地球の内部にある。
 
だから、連星として考えて
「地球は、月の周りを回っている」
と言うよりも
「地球は、月に振動させられている」
と言う感じなのだ。
 
地球が振動しているから、揺さぶられて海水があっちに行ったり、こっちに行ったりしているのじゃないのか。
それが、潮の満ち引きなんじゃないのか?
と、随分以前から気になっていました。
思い立ったが吉日。本日は、是非とも計算してみようと思います。

正解が見つかりました。(=^_^;=)

念のために検索したら、おおよそ僕が「説明したい」と思っていた内容を、的確に説明しているpdfが見つかりました(^0^;)
名古屋大学の先生のホームページ。
上記ウェブ・ページで公開されていました。
・ 講義・講演資料
「きちんと理解するのは意外に難しい潮汐力」 愛媛大学名城大学にて講演(2016年8, 10月)
です。

でも、ま、せっかくなんで僕も計算してみます。

ところで、計算方法は、慶應義塾高等学校の2005年卒業研究を参考にしましたm(v_v)m

user.keio.ac.jp

↑このページの2005年の
 20. 「月と地球の共通重心を求める」
です。スミマセン。
 
球の体積は、Keisan casio
で勉強しました。
 
なんだか、人に頼ってばかりですが(^_^;
さらに、その他のデータは、手元の理科年表
理科年表 2019

理科年表 2019

 
から引用しました。
イラストは、マイクロソフトエクセルの図形を使いました。

 

人に頼ってばかりですが
思い立ったが吉日
始めます。
 
1. 地球の大きさ
 半径:6 378km
地球の大きさは、高校の地学の授業で習ったのを記憶していました。
「”ろくさんのなっぱ”と覚えるとよろしい。」
と先生がおっしゃったのを記憶していました。
赤道半径です。
北極(南極)半径は6,357km。
「ろくさんのこな」
です。
 直径は、二倍して12 756km
2. 月の大きさ
 半径 :1 736km
 直径は、二倍して3 474km
同じ比率で球を書いてみました。
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なるほど。「月は地球の衛星」なんて、威張ってましたけれども
「巨人」と「米粒」と言うほどの違いはありませんな。
3. 地球の体積(4/3×πr3
 1 086 781 292 543 km3
3桁ごとの区切り記号は、日常的に「,」(カンマ)を使いますが、
ここでは理科年表に倣って半角の空白を用いることとします。
4. 月の体積
 21 952 706 175 km3
5. 地球の密度
 5 520 kg/m3
日常的に、密度はg/cm3ですが、
ここでは、単位にこだわり、kg/m3を用います。
6. 月の密度
 3 340 kg/m3
7. 地球の質量
 5.999×1024kg(体積×密度)
8. 月の質量
 7.332×1022kg(体積×密度)
9. 月と地球の距離
 384 399 km(軌道長半径)
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月と地球の距離ではなく、月の軌道長半径です。(理科年表に載ってたので)
そして、地球はどこにいるか、と言えば、
月の軌道の中心ではなく、もう少し離れたところ。
384 399+x kmです。
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xは、地球の(月に揺さぶられる軌道の)半径です。

 

ここからが、要点です。
月の軌道の中心(月に揺さぶられる地球の軌道の中心でもある)が、地球と月の重心です。
重心からの距離はそれぞれの質量と反比例します。
つまり、
月の軌道長半径:月に揺さぶられる地球の軌道の半径
=地球の質量:月の質量
です。
数字を入れると、
384 399:x
= 5.999×1024:7.332×1022
です。
xについて解くと、
x=384 399 × 7.332×1022 ÷ 5.999×1024
 = 4 698 km 
です。
つまり、地球は
地球の中心から4 698 kmのところ
=地球の表面から1 680 kmのところ
を中心として、
月にスィングされているわけです。
言い換えれば、地球の半径6 378 km+1 680 km=8 058 kmを外接円とする軌道を振動しているわけです。
もし、重心が地球の外側にあれば、
月と地球は、
「惑星」と「衛星」ではなく、
「二つの連星」
でした。
もう少し月が重たければ、
地球に対して子分扱いの「衛星」ではなかったのに。
月よ、残念だったな。
と、感慨深く、申し上げておきましょう。
これをイラストにしてみます。
a) 先ず満月
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b) 次の半月
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d) 次の半月(7日ころ)
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おしまい

これだけスィングしていると、遠心力で月の逆側に海水が流れ込み、満潮となる。
と、言うワケです。
(月側も満潮になりますが、これは月の引力のため)
 
おぉ。積年のモヤモヤがようやく晴れました\(^_^)/
 
冬は(日本の太平洋側は)晴れの日が多く、月がよく見えます。
今宵は、月が見えるのかしら?
いずれにしろ良い夢が見られそうです。
今日も夜更かししてしまいました。
皆様は、睡眠時間は充分確保されますよう、ご自愛くださいませ。
僕も今日は就寝することとします。オヤスミナサイ。良い夢を。ぐっない。