daniel-yangのブログ

メインブログ「受動態」(読書感想文ブログ)とは異なる内容を気まぐれで記します。

「トラベシア」第6号「いしあいひでひこのやさしい人生」を読みました4

f:id:Daniel_Yang:20210906230310j:plain
埼玉県鶴ヶ島市2021/8/26 22:34 #PENTAX K-S1 DA L55-300 ISO: 800, f/9.0, 1/320s, 460mm相当
の続きです。
を読んでいます。
本日は
p8~p13 ロングインタビュー
今日もまたいつもの話
聞き手:佐藤麻弥
構成:鈴木並木
を読みました。
次の
p14~17<自筆年譜>いしあいひでひことその時代
を読みながら、二人でお話ししています。
自筆年譜の解説になっています。
特に職業の話題がおもしろかった。(映画や、音楽の話題はこのあとも沢山出てくるので)
いしあいさんが子どもの頃の両親の仕事
と、ご自身の仕事について。
 
先ず僕(Daniel Yang)自身が、祖父の代からの勤め人であることを意識させられました。(自称サラリーマン三世)
父方で言えば三代続いて最終学歴が同じ学校だし。(現在は東京の四工大の一つになっている学校)
給料の高い、安定した会社で長く勤められればな。
と思いながら勉強して就職しました。
勉強して就職し、長く絶え間なく働き続けることを、あたりまえ、のことと思っていました。
必ずしも、そういう人生ばかりではないことに注意が向くようになったのは最近のことです。
逆に言えば、勉強しなくても生きていく術はあるし、就職しなくても、お休みの時期を挟みながらでも、その人なりの生き方ができる。と言うことに気がついたのは最近です。
 
このインタビューを読んで、いしあいさんが語る内容(佐藤麻弥が聞き出している内容)を「そのとおりだな。」と思うのが今の自分ですが、二十年前だったら、どっか別の世界の人と思うところでした。
八年間高知県で工場勤務をしていてわかりました。
職場の九割方が地元の人。実家が近くにある人が多い。案外収入が少なくても死なない。けれどたいがい働き者(働かなくても死なないけれど、そういう生活はしたくない。自分たちは違う、という意識がある様子)。夫婦共働きが多い。同じように「地方都市」と言っても寒い地域とはだいぶ違う。寒い地域だと、冬にカネがなくなると死にそうな気がするけれど、暖かいところだと、なんとなく平気なような気がする。
というような、環境に接しました。
これが、僕の「あたりまえ」の感覚が特定の(特徴的な)種族が持つものだと実感させたわけです。
が、周囲にサラリーマンが多いなかで、自営業、またはその時々によって職業を変える人生を過ごす人の感覚を、この雑誌のコーナーで学び直した感覚です。
 
それと、いしあいさん、ご苦労なされたな。
と思う一方「あれ、俺も結構苦労しているな。」と思い当たっちゃいました。
ラクに生きよう。」と思ってサラリーマンを志向し、今まで転職すること無く(転勤や、所属部門が分社化、売却されて違う会社の社員になっている)ことにも加えて、異動のたびに、全く異なる分野の仕事に就いて、へなちょこからやり直すことが一度や二度ではない。新入社員当初のことはおおやけに書けるような内容ではないし。その後、晴れてふつうのエンジニアになったのは良いものの、新規物質の合成が課題の有機化学の合成屋、複屈折を扱う光学設計、表示装置の駆動回路設計(ロジック)、開発のスケジュール管理、現在はサーバーのお勉強中。これ「もうやだ。」と言って逃避してもおかしくない、コンバートの数々。「そうか、俺は案外ストレスの多い職業人生を送ってきたのだな。」と感慨深い。
 
ここまで書いた雑誌の感想は、主に「いしあいさんは、接してストレスを与えない人だ。」という感想になっていると思うのだけれど、
職業では、それなりにストレスがあるし、僕にもストレスがあり、そのストレスを八つ当たりで発散すると、プライベートにおいて「周囲にストレスを与える人」になるのだけれど、少なくともいしあいさんはそうなっておらず、おそらくこの雑誌を構成する人達も、周囲にストレスを与えない、居心地の良い場所を提供するひとなのだろう。と俯瞰して思いました。
 
インタビュアーの佐藤麻弥は、(一瞬「もしかして僕も知っている人?」と思ったけれど違って)
↓ このツイートをしている人です。

構成の鈴木並木さんは、たぶんこのツイートをしている人。

お二人とも、千人強のフォロワーを持つツイッタラー。
活躍の場は、ツイッターからたどり着けるでしょう。
フォロワーの数の多さで、何かを語ろうと言うものではありませんが「規模」ですよね? かつての個人のホームページのアクセスカウンターの周り具合のような目安。
ちなみに私(@DanielYang20)のフォロワーは386人だそうです。'21/9/7  0:11現在
スタンスとしては(どなたかがプロフィールに書いていたののぱくりなのですが)「一つしかアカウントないから、僕をフォローするとうるさいよ。」フォローバックを習慣にする方には、ホントは「構わないでください。」と親切に申し上げたいところなのですが、言うのもおこがましいようなので、黙っています。
 
ここまで読んで、ようやくこの雑誌が鈴木並木さんの自主制作雑誌だと理解してきました。
ただ、自主制作って(軽音楽なんかがそうだけれど)玉石混淆じゃん?
で、このあとでてくる執筆陣(どうやら、その道のプロフェッショナルとマニアに声を掛けて応えてくれている様子)と、
その筆致(手を抜いておらず、声をかけられたなりののめり込み方で突っ込んだ文章)
を読んでいくと、
この雑誌が玉である、と思った。
そういう意味で言うと、インタビュアーを引き受けた佐藤麻弥は、普段盛り上がっているであろう映画の話ではなく、いしあい氏の年譜を見ながらのインタビューなので、少し損な役回りである。
しかしながら、これが友情というものなのであろう。インタビューの内容以上に、このシチュエーションに意味があると思った、秋風が吹く夏が恋しい九月の夕べでございました。
 
と言うより、おもしろい。
電車で座れても、ついこの雑誌を読んでしまう。