ちゃんと観てない映画をちゃんと観てみようと思いレンタルしてきました。
(1/4) ノルウェイの森 2010 トラン・アン・ユン脚本・監督
今日観た4作品の中で、唯一原作を読んでいる作品です。
僕が今まで読んだ小説で好きな作品を三つあげるとすると、この原作が入ります。(この作品以前は夏目漱石「こころ」がトップでした。)
僕の人生において初めて熱中して読んだ小説です。
「え?化学系の単位だけでは、卒業単位に足りない?」と慌てて物理系や生物系を受講していた四年生。年が明けて、2月の試験が終わると、ようやく卒業できそうだ。と一息つきました。
熱心に取り組んだサークルは他大学の軽音楽倶楽部にいわゆる「外人」として参加していたので、楽器を演奏するほかは、友だちづきあいもしていませんでした。
暇な早春でした。
旅行でもすれば良いところですが、あまりバイトにも励んでおらず、お金が掛かることはできません。
家でごろごろしているときに年子の兄が持っていた赤と緑の単行本を読み始めました。
止まらなくなりました。
三日三晩、食事とトイレと眠る以外はこの小説を読み続けました。
三日目に読み終わった直後に、再び最初から読み始めました。
「あぁ、もう引っ越しして会社の寮に入らねば。」
とタイムリミットが来たとき、
(兄に借りを作るのは避けたかったのですが)「この本、俺の卒業祝いにちょうだい。」と言って譲り受け、布団と14inch TVとこの本を車に積んで家を出て行ったのでした。
原作に忠実でびっくりしました。
なるほど、実物の人間の振るまいとしてはこんな感じになるのだな。
と納得。
緑との午後の火事のエピソードは省略され、小説だけのお楽しみと言うことになったのですなぁ。
ワタナベとレイコ先生が二人で挙げるお葬式は、原作の解釈を棄却した経緯を知りたいです。
「偶然、僕も同じ事考えていました。」
と言う成り行きが好きなんですけれどね。
原作のこの経緯は男の子向けで、
女性にはいっそのこと映画の解釈の方が良いのかも。
と思いましたがいかがでしょうか。
以上二点を除いては、主題である「愛する人を失うこと」と、「生きていくこと」が、原作のメッセージどおり。よりわかりやすい形で示していると思いました。
TVでの放映をぼんやり観た覚えしかないので、しっかり見ておこうと思いました。
子供の自立が描かれていて素敵でした。
(3/4) リアル鬼ごっこ 2015年
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園子温監督作品を何か観ようと思いました。篠田麻里子も出演しているし。
特にコメントはございません。
(4/4) 桐島、部活やめるってよ 2012年 吉田大八監督
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もっと早く観ておけば良かった。映画館に観に行っても良かった。
一回観た後、字幕ONにしてもう一度観た。よく解った。
と、言うところで、なんか映画館見たことあるな、と思ったら映画館のロケはTOHOシネマズ高知でした。僕が住んでるのは高知市の隣の南国市ですが、映画を観る時は、イオンモール高知内のTOHOシネマズに行っています。
映画が公開された頃は、まだ高知に引っ越してくる前でしたが。
公開されていた頃に監督がTVでインタビューに応じ、高校生を演じた俳優たちが映画を成功させた旨を語っていたのを記憶しています。みな個性的な配役になりきって演じていて、憎らしい人は憎らしいし、共感できる人には親しみがわきました。
僕は、男子では東出昌大演じる菊地弘樹、 女子では、あまちゃん直前の橋本愛演じる東原かすみに共感がわきました。彼らのポリシーと言うか、美学が解るような気がします。
部活と言う面では、運動部が監督やコーチ、同じ選手のうち指導的立場にある者の下命に順う軍隊のような(と、言うと、言い過ぎだとは思うのですが)自主性と言うか、自立性の低さにあきれる一方、自分が高校生だったときにも、運動部の人たちに同じようにうんざりしたことを思い出しました。
僕は高校からは文化系、というか。ロックバンドを組んでコピーバンドをやっていました。部活ではありません。生徒会の予算があるわけでもなし。
それどころか、夏休みに教室を借りて練習していると
「うるさい」
と職員室から先生に怒鳴り込まれる(>o<)
バイトをして練習スタジオを借りて、自分たちで公民館を予約し、機材をレンタルしてコンサートを開いていた我々。
こんな我々に対してなお、運動部の人が
「俺たちは練習が忙しくて、勉強時間が少なくて不利だから。」
などと言うのに呆れてモノが言えませんでした。
今考えると、彼らには、いわゆる思考停止状態でやることが求められ、
そして、彼らは要求通りに「自分がやりたいことをどう実現するのか?」と考えることなく、監督やコーチの言うがママに動く訓練をしていた、と理解出来ます。
高校の部活が教育の一環であるなら
「あいつらは他のことを犠牲にして練習しているんだから」
と言って遠征費用の募金を募る運動部の親は、少し考え直した方が良いのではないかと思う。
「好きでやってるんだから、ユニフォーム代くらい、自分でバイトして買え。」
と言ってやった方が、よっぽど本人のためだと思います。
映画部、頑張れ。先生の言いなりにならずにゲリラで撮影をする彼らの未来は絶対明るいぞ。
映画音楽としては、吹奏楽部の演奏が素晴らしい。
大後寿々花演じるアルトサックス担当で部長の沢島亜矢が戻ってから始まる曲が、皆が構内を走り回るシーンを一貫して支える構成は圧巻です。DVDの時間を見ると1:20 ~ 1:26ぐらいの約6分間。
大立ち回りの後、吹奏楽部の演奏風景に戻ったとき「やや、この迫力ある演奏は彼らの演奏だったか。」と驚いてしまったほど。
ところで、アルトサックスって結構大きいですね。ていうか、テナーサックスって大きすぎるよね。バリトンサックスってあるのかな?コントラバスみたいに底を床に置かないと吹けないんじゃないかしら。
渦巻きじゃない真っ直ぐのホルンみたいに。